若手芸人は泥水で生きている。

もうほとぼりも冷めたと思うのでずっと書きたかっためちゃイケの三中さんクビの件を。

先日放送されためちゃイケ4時間SPの中で、めちゃイケメンバーの三中元克さんが視聴者投票の末、クビになりました。

三中さんは2010年、岡村さんが無期限の休養に突入した為に行われためちゃイケ新メンバーオーディションで合格した唯一の「素人」。
その後めちゃイケの中では「素人」という括りでコンテンツデザイン周りの仕事を中心にやっていたのです。
夏のイベント毎日出勤とか、足柄SAとのコラボ企画で移住とか。
そんな中、みちのくプロレスとのコラボ企画で東北に飛ばされた三中さんは遂にキレて飛びます。
飛んだ結果、お笑い芸人への道を選び、相方とともにオーディションを受け晴れて吉本芸人になりました。

その結果、番組側の提案で「素人」だから受かった三中さんを「芸人」の三中元克として、もう一度オーディションにかける事になったのです。
それが先述の視聴者投票でした。

といった経緯です。
僕はめちゃイケの企画がどうとか、三中さんのネタがどうとかそういう事を言う気は無くて、ていうかTwitterあたりで散々言ったので、今回はクビになった事そのものについて話したいと思います。

僕は三中さんが羨ましいと思いました。
若手芸人は何らかの泥水を啜って生きています。
学生時代いじめられていたとか、家が貧乏だったとか所謂「不幸」がメインです。
その泥水をひっくり返す為に生きています。
そういう視点で見ると三中さんの泥水はめちゃくちゃ分かりやすくて、めちゃくちゃタイミングのいいものでした。

全国放送で番組にありとあらゆる事を否定されて、視聴者にも否定されましたよね。
そしてめちゃイケのメンバーをクビになる訳ですよ。
これ以上の泥水ないでしょ。
めちゃイケ見てない人も何となく知ってるんですよ。
説明しなくてもバックボーン丸見えなんです。
泥水の質としては最良です。

そして三中さんに泥水をぶっかけためちゃイケ自体も最早泥舟です。
企画も雰囲気も視聴率も全てが沈みゆく船。
このタイミングでその泥舟から合法的に脱出した訳ですよ。
もう笑いにつながるのかさっぱりわからないコンテンツデザイン周りの仕事もしなくていいんです。

つまり三中さんは若手芸人に必要な泥水を全国放送で浴びて、そして泥舟から追い出された形なんですよね。
そして芸人人生がスタートする訳です。
もう初期ステータスとしては最高ですよ。

これから三中さんがどうなるかわかりません。
芸人として成功するかもしれないし、やっぱり素人に戻るかもしれない。
その時に戻る素人はめちゃイケが言う「素人」じゃなくてガチの素人ですよ。
まぁわからないけど、この良質な泥水を生かして欲しいなと思っています。

芸人として、これ以上の泥水、ないっすよ。
本当に羨ましい。